罪の意識

久々に小説を読みました。

手紙 (文春文庫)

主人公の兄貴が強盗殺人を犯したことによって、主人公が周りからの差別に苦悩しながら生きていく姿を描写した話。
家族が犯罪者であるという理由で、主人公は何度も仕事や音楽、恋愛などのチャンスを逃してしまう。
なぜ自分が犯罪者ではないのにここまで差別を受けなければならないのか。

主人公の勤めていた会社の社長が言った「家族に犯罪者がいる者は、差別されなければならない」という一言は意外でした。
けど、これは事実であって、差別のない社会を作るのは本当に難しいことです。
被害者は犯罪者のことを一生忘れません。
犯罪は多くの人間の心を傷つけるということを、あらためて確認することができる内容でした。